食品用器具・容器包装(合成樹脂)のポジティブリストについて

浄水器には、これまで、給水装置の一部として分類され、給水器具として水道法が適用されるものが多くありました。

一方で、水栓より吐出された水道水は食品に該当し、これをろ過する浄水器はその形態により水道法ではなく、食品衛生法が適用されるものもあります。例えば、水栓から切り離された状態で使用するポット形浄水器や水栓から容易に取り外せる蛇口直結形、据置形浄水器等です。これらの浄水器については2020年6月1日に改正された食品衛生法により、従来のネガティブリスト制度に加えて、使用される合成樹脂にポジティブリスト制度が適用されます。

なお、食品衛生法の改正によるポジティブリスト制度は輸入品についても同様に適用されます。

 

食品用器具や食品の容器包装用に使用される合成樹脂について、これまでは、安全性に係る規格基準は、安全性に懸念のある物質について、含有量や溶出量の上限を設定する方法(ネガティブリスト制度)でしたが、2018年6月13日に公布された食品衛生法等の一部を改正する法律により食品用器具・容器包装について、安全性を評価した物質のみを使用可能とするポジティブリスト制度が追加導入されました(2020年6月1日施行、但し経過措置期間を5年とする)。 

ポジティブリスト制度の導入により、食品用器具や食品の容器包装用に使用される合成樹脂は、ポジティブリスト(厚生省告示第370号 別表1)に掲載される材料を使用する必要があります。

§1 食品衛生法とは

日本において飲食によって生ずる危害の発生を防止するための日本の法律です。 食品と添加物などの基準、表示、検査などの原則を定めており。食器、割ぽう具(調理器具)、容器、包装、乳児用おもちゃについても対象となっています。

§2 食品用器具・容器包装のポジティブリスト制度とは

ポジティブリスト制度とは、安全性を評価した物質(使用を認める物質)を収載したリスト(ポジティブリスト)を作成し,使用を認める物質以外の使用を原則として禁止する規制の仕組みです。 

§3 給水装置の構造及び材質の基準に関する省令とは

水道法(水道法施行令)に基づいて、給水装置の構造と材質の基準を定めた省令です。

§4 浄水器の食品衛生法上の分類

アンダーシンク形と水栓一体形は給水配管に直接接続するものなので、水道法に基づく給水装置の構造及び材質の基準に関する省令の対象となります。

一方、ポット型や蛇口直結形、据置形等は給水装置から先の接続(使用)になるため、上記省令の対象から外れます。カートリッジを含むこれらの浄水器は水道水(食品)と直接接触するものなので、食品衛生法の食品用器具・容器包装に該当し、ポジティブリストの対象となります。

浄水器の
食品衛生法上の分類
2019年11月15日最終確認
■朱枠:食品衛生法を適用
■枠外:水道法施行令に基づく「給水装置の構造及び材質の基準に関する省令*」を適用
※なお、今後の開発品及び派正形の浄水器等であって、右記分類に該当しない浄水器及び分類が困難な浄水器にあっては、右記分類とは別に、個別の分類に係る検討が必要である

水道法施行令に基づく給水装置の構造及び材質の基準に関する省令:
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=409M50000100014

§5 家庭用浄水器の種類

家庭用浄水器の製品規格はJIS S 3241として規程があります。その中で家庭用浄水器の種類について分類されています。

家庭用浄水器の種類については、トップページより”浄水器” → ”用途で分けた浄水器のタイプ”のコーナーをご覧ください。

注1:適用対象となる浄水器においては、ポジティブリストにある材料(今回の改正では合成樹脂が対象)仕様が適用されるものです。

注2:浄水器適合マーク制度においての認証要件については、従来通り、JIS S 3241(家庭用浄水器)、JIS S 3242(家庭用逆浸透膜浄水器)、JWPAS (浄水器協会自主規格)に適合していることに変更はありません。